ストーリー:
アレンデール王国の第一王女エルサは生まれつき物を凍らせたり氷雪を操る能力を持ち、幼いある日、その力の為に一緒に遊んでいた妹のアナを危険な目に会わせてしまう。
強力になっていく力を恐れたエルサ自身と両親の王と妃はエルサを王宮内に隔絶して保護し、城を閉ざした。エルサは妹の安全の為にアナとも距離をとるようになる。エルサの力に関する記憶を失くしたアナは姉に避けられる理由が分からず悲しく思う。
やがて国王夫妻は海難事故で亡くなってしまい、その三年後に成人したエルサが女王として即位することとなった。
十数年ぶりに城門が解放される戴冠式の日、はしゃぐアナと、一日だけ力を隠して女王として戴冠式を乗り切る為に緊張しながら努力するエルサ。
アナは戴冠式に訪れた「南諸島の王国」の王子ハンスと出会い恋に落ち、二人はその日の内に婚約をする。姉のエルサとも久しぶりに会話を交わし、楽しい思いをしたのも束の間、エルサに早すぎる婚約を認めてもらえず口論になる。
傷ついたエルサは思わず能力を爆発させてしまい、国民に力のことを知られてしまった。エルサは北の山に逃げ出し、氷の城を築いて独りで、しかし自由に生きていくことを決心する。
エルサの力は留まるところを知らず、自分でも制御できないまま王国を冬の世界に閉ざしてしまう。アナは姉を取り戻すために、そして王国を救う為にエルサを探して、途中で出会った氷職人のクリストフや夏に憧れる雪だるまのオラフと共に冒険の旅に出るが…。
コメント(ネタバレあり):
たまたま見かけたPVに惹かれて観に行きました。映像がすごくきれいで、脳内ヘビロテになる主題歌と共にエルサが魔法で氷の城を作るシーンは圧巻です。とにかく、エルサの美しさは異常w。「可愛い女の子」型ではなく「セクシーな大人の女性」型のヒロインというのは「ノートルダムの鐘」のエスメラルダ以来かな?しかしそれに比べて男性陣のキャラデザがちとアレですがw。
色々な意味でディズニーの「型」を破っている作品。
まず。ダブル・ヒロインというのもそうですし、王子様役がまさかのヴィランでもあるというサプライズ。
ディズニーのヴィランは最初からヴィランとして出てくるのが多いですが、人が変わるというか、こういうパターンは珍しいよね?初めのハンスは私的にはディズニー史上最高レベルの好感度の王子でしたよw。「扉開けて」とか二人のデュエットはとっても可愛かったし。
私は何かあんまりアナとクリストフの間にそれほど愛を感じられなかったんですよね。どっちかというと二人は戦友っぽい感じな気がする。恋愛対象に見えてなさそうだったクリストフとの唐突なくっつき方に比べたら、気が合ったハンスと二人で可愛くダンスしながら即婚約、の方がよほどリアリティがあるように見えましたよ。
ハンスって、結構最初の好青年ぶりが地じゃないかと思ったりする訳です。人を騙せるだけの薄っぺらな上辺だけではない演技ができるというのは、それだけ好男子の理想像を理解して身に付けていたということではないかと。
たくましすぎる野心の為に道をそれてはしまったけど、初めの計画通りエルサと結婚していたら、結構まともな国王になってたりして。でもやっぱ領土拡大を狙って他国に侵略とかしたのかなー(笑)。
あそこまで上昇志向なら、脱獄して十二人の兄達やアレンデールにリベンジを企ててほしいところですw。王子様役でもヴィランでもあるという点で、ある意味かえって単純なヒーロー王子より魅力を増したキャラなんじゃないでしょうか。
ハンスは「会ってその日の内に結婚を望むとはね」と呆れたり、結構常識的な一面もあって、何気にディズニー的恋愛への皮肉にもなってますw。
「塔の上のラプンツェル」でも思いましたが、最近のディズニーのヴィランは、単なる悪の具象ではなくて「価値観・立場が主人公達と相容れないベクトルに異なる一個のキャラクター」として描かれてきていますね。もともと善悪二元論はあんまり好きでは無かったけど、これはこれでディズニーらしくなくてモヤっともするなあ^^;。
この映画のテーマは「凍った心を溶かす真実の愛」ですが、これも今迄のディズニーの描いてきた「愛」とは違って、王子様とお姫様の愛の力でめでたしめでたし、なんてお話ではありません。
せっかく恋愛脳な甘ったるい話ではないストーリーなのに、姉妹愛によって突然エルサが能力を制御できるようになるとか、結局あまり具体性が無く、愛の力は何でもアリ、になっちゃってたのがちょっと残念。
しかし、これまでのディズニー作品との違いを楽しめますし、十分に見ごたえのある作品で、大きなスクリーンで見る価値のある作品でした。DVD早く出てほしいな。
おまけに「Let It Go」の歌詞・翻訳☆
The snow glows white on the mountain tonight,
not a footprint to be seen.
A kingdom of isolation and it looks like I'm the queen.
The wind is howling like this swirling storm inside.
Couldn't keep it in, Heaven knows I tried.
Don't let them in, don't let them see.
Be the good girl you always have to be.
Conceal don't feel, don't let them know.
Well, now they know!
Let it go, let it go.
Can't hold it back anymore.
Let it go, let it go.
Turn away and slam the door.
I don't care what they're going to say.
Let the storm rage on.
The cold never bothered me anyway.
It's funny how some distance,
makes everything seem small.
And the fears that once controlled me, can't get to me at all
It's time to see what I can do,
to test the limits and break through.
No right, no wrong, no rules for me.
I am free!
Let it go, let it go.
I am one with the wind and sky.
Let it go, let it go.
You'll never see me cry.
Here I stand, and here I'll stay.
Let the storm rage on.
My power flurries through the air into the ground.
My soul is spiraling in frozen fractals all around
And one thought crystallizes like an icy blast
I'm never going back; the past is in the past!
Let it go, let it go.
And I'll rise like the break of dawn.
Let it go, let it go
That perfect girl is gone
Here I stand, in the light of day.
Let the storm rage on!
The cold never bothered me anyway
今夜、雪は山に白く降り積もり、足跡ひとつ見えなくなる。
孤絶した王国で、そして私はその女王のようなもの。
風がうなっている。胸の中で渦を巻く心の嵐と同じ様に。
力を抑えきれなかったけれど、天は私の努力を知っているわ。
「みんなを中に入れては駄目」「みんなに見せては駄目」
「良い子にしているのよ。いつもそうしていなくてはいけないの」
「隠して秘密に」「感情を殺して」「みんなに知られないように」
ああ、みんなが知ってしまった!
なるようになれ、仕方がない。
もうこれ以上押し隠してはおけないもの。
なるようになれ、仕方がない。
背を向けて扉をバタンと閉めるの。
みんなが何を言おうと気にしないわ。
嵐が吹き荒れたっていいわ。
どうせ寒くて参ったことなんてないもの。
おかしなものね。距離を置けば何もかも小さく見えるわ。
それに、かつて私を支配していた恐れも、もう私には届かない。
私に何ができるか見てみる時期ね。
限界に挑戦して突破するの。
正しさも間違いも無い。私には何の制約もない。
自由なの!
なるようになれ、仕方がない。
風と空と一体になるの。
なるようになれ、仕方がない。
もう決して泣き顔は見せないわ。
ここが私の舞台、そして私の居場所なの。
嵐が吹き荒れたっていいわ。
私の力が宙を貫き地に吹き付ける。
凍りついた図形模様が周囲を取り巻き、
その中で私の魂は渦巻き舞い上がっている。
そして一つの考えが吹雪のように結晶化されてゆく。
もう二度と戻ることは無いわ。
過去はもう過ぎ去ったこと!
なるようになれ、仕方がない。
夜明けが来たように私の人生の日の出を迎えよう。
なるようになれ、仕方がない。
完璧な娘はもういない。
ここが私の舞台、日の光の当たる場所。
嵐が吹き荒れたっていいわ!
どうせ寒くて参ったことなんてないもの。